星空案内人シンポジウム(3/4-5)へ参加しに、ちょっくら姫路へ行ってまいりますよー。
姫路はよく知らんし今回はシンポジウムメインだしで、観光は特にはと思ってたのですが。ちと待て。何か記憶に引っかかる。何か好きなものがあった気がする。ものすごく綺麗な何か、飛びぬけて美しげな何か…
「貴女。あの鷹を取って上げましょうね」
「まあ、どうしてあれを」
「見ておいで、それは姫路の、富だもの」
天守物語だー!!
天守物語、泉鏡花の最高傑作の一つですね。わたくし頼まれもしないのにおおまかになら台詞諳んじてるくらい好きです。頼まれもしないのに一晩語れます。頼まれもしないので他人様のご迷惑にならんようひっそり一人で愛でておりますが。
「お顔が見たい、唯一目。…千歳百歳[ちとせももとせ]に唯一度、たった一度の恋だのに」
一番有名な台詞はこれでしょうか。物語クライマックスの名場面。この場面を勿論として、物語の舞台は天守のみで展開するのです。美姫ふたりに華やかな侍女たち、異形のお付きの妖怪たちに生首に酒宴に恋人の出逢いに斬り合いに獅子頭にと下手すりゃ収拾のつかなくなるボリュームを、気品に傷を付けることなくすべて包括する舞台が天守。
そうだった姫路だったあれ姫路城天守だった。天守に住まうと伝わる刑部姫がモデルとも。しまったそういうことなら素通りできん。しかし今めっちゃ初春だなー!(物語は秋)
ズルいくらい優雅だな春の姫路(白鷺)城…!
物語で獅子頭(物語のキーであり舞台の中心)の鎮座する場所が刑部神社なのか、それだけでも確かめに行こうかと思っております。体力と相談は必要ですが。時間もない上に五重まで登るとなると…しかし物語の現場を見たい…。
ちなみにトラベルjpで「姫路城 天守物語」で検索したところ、塚本隆司さんの記事に記述がありました。参考になるわー、ありがたや。
(余談ですがクールジャパンの流行りはじめだったか、クールが日本語に直訳できないとどこぞで聞いた折、「お涼しい、お姉様」と鷹を取ってくれた富姫をにこにこ讃える亀姫ちゃん(戯曲につき脳内映像補完)が思い浮かんで、あの日本語はもう廃れたのか?と思ったもんでした)(別に直訳でいいじゃないかと思っている)